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第六話:不幸体質が改善されないのは奴のせいにしておこう!(深李side)
ーマンション・金字・二十六0号室
一人暮らしにしては、だだ広い三LDKの部屋は心地良い感じだった。
鳴呼、奴を部屋に入れるまでは快適だなと、思っていたさ。
何で…。
部屋に入れたのかさえ、解らないまま悩み続けて四日が経つ。
四十八にもなる男が二回り下の男にキスされた挙げ句、尻を撫で回されるとか考えただけで、鳥肌が立つだろう。
若いのに、人生を変態で終わらせるとか哀れというか。その相手が自分じゃなければ、悲壮感に浸ってやるのに。
奴こと、鳴澤 克樹が狙っているのが俺だと知った瞬間、自分を呪った。
『触るなぁぁ…』
『えぇぇ、ぷにぷにしていて気持ち良いんですが』
『気色悪い…!』
『仕方ないですねぇ、はい』
人の尻を撫で回すだけじゃなく、肉まで掴んだ奴は、少し拗ねた様な表情をし、俺の手を後ろへと持っていった。
何だ?
この体勢。
まじまじと相手の様子を伺った。
奴の行動が不可解過ぎて、俺の方が仰天しそうだ。
あれは、酒の勢いだと言い聞かせたい。
そう思いたかったんだが、無理だった…。
触れた感触が今でも残っているんだ。
そんな俺を他所に、奴は嬉しそうにするもんだから、突っ込めなかった。
素なのか?
だとすれば、一回、脳外科を紹介してやろう。と、真剣に考えた。
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