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慣れてしまったせいかな。 肘をテーブルに付き、様子を伺う。 こうやって見ると、普通の女性なんだけどな。霊みたく透けている訳でもないし、外で歩いていそうな綺麗な女性。 『霊体』と言っても信じてくれなさそうだけど、彼女は立派な霊体で海王。 一般の人には馴染みのない存在である。 俺の…。 不幸な体質の原因にもなった人物でもあるな。 視る者として致命傷である。 霊に好かれやすい体質は色々と面倒臭く、祓いの言葉を覚えておかないといけない。故に、自分で払えなければ、意味が無いのだと。 散々…。 『姫』に言われた。 幾ら、彼女が傍に居るとはいえ、甘える事は間違っている。 『不幸な体質』だと嘆くのは、もっと、お門違いだと。 体質を解っているなら。 何故、自分から努力をしないのだと。 そいゆう風に言われ続けて育ってきたから、あまり経験が無い事が沢山で。触れてみたい事も増えてきたのは確かだ。 けど、先ほどから百合の反対を想像しているんだが。 よくよく考えてみれば、俺、花に詳しくない。 『姫』なら、何と例えるのだろうとか、彼女なら?とか、頭を回転させながら思い当たる部分を検索しているけど、無理だ。 一生懸命、頭を働かせているのに…。 脳内拒否している。

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