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確かに、見た目からして、落ち着いたイケメンだとは思う。 違うな…。 残念なイケメンが、この場合は、正しいか。 鳴澤 克樹という人物は二十四歳の残念なイケメン。二回り上の相手の尻を撫で回すし、爽やか笑顔を浮かべる変態。 四十八年間生きてきた中で、こんな風に悩まされたのは初めてだ。 『ー…あまり、思い耽るなよ。深李』 細く、白い手が頭に触れた。 「…」 『昔から色んなのを寄せ付ける体質は特殊だが、厄介なものでもある。だからといって、自分は不幸な体質だと思い込むのは間違っている。ソナタが生まれ持った力だ。まだ、経験が浅い分、使い慣れてないかも知れないが…。何時かは、誇れる盾になるという事を覚えておくと良い。ソナタの母親が、そうであった様に』 大きく目を開き、彼女を映す。 「…っ」 『それでも、元から持った体質が災いして、特殊な人間を引き寄せた事には間違いないな。カサブランカの甘い匂い』 「ー…えっ」 『生身の人間まで引き寄せるとは、不幸な体質以前の問題』 生身の人間…生身の…。 ー…人間!!! 母上様の件も気になるが、今ので合点がいった。 生きている人間なんて、一人しか思い当たらない。 つい最近で言えば、アイツしかいないだろう。

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