41 / 117

5-7

家に来たのは、奴しか居ない。 つまり、彼女が言いたいのは、奴の事な訳であり。 「う、うそだろぉぉぉぉぉっ」 こいゆう場合って、お祓いとか効果あるのだろうか。 いや、塩で浄めたほうが健全だったりするのかな。 「清めなきゃ」 『止しておけ。効果無いから…』 「じゃあ、どうすれば」 『諦めた方が賢明だ。カサブランカの甘い匂いが消える筈もない…』 何、それ。 清めても意味を成さないみたいな…。 「…」 『言ったであろう?特殊な人間だと。ソナタが深く思い耽いても仕方がない事…』 「じゃあ、じゃあ、不幸な体質が改善される兆しは」 『不幸かは置いておいて、体質は改善される兆しは、この先、一生無い…!』 神様、仏様…。 意地悪にも程があります。 聞きました? 鳴澤 克樹という変態のせいで、俺の体質が改善される兆しが閉ざされたんです。 これって、恨んで良いんだよな。 恨んでもバチは当たらないよなっ…。 不幸な体質が改善されないのは、奴のせいにしても、俺は一切悪くないと、胸張って主張しても大丈夫な結果だよな。 だって、彼女。 『諦めろ』と口にしたあたり。 既に、手は打ってあると言っている様なものだ。 奴の懐に収まれと断言している感じがしてならない。 思わず、身震いしてしまう。

ともだちにシェアしよう!