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第七話:ドス黒すぎて、純白にはなれません。
ー鳴澤家・ライラックの間
「気色悪い、気色悪すぎる…」
辺りに花々が飛んでいる男性を見て、げんなりとした表情で吐く、両腕を組んだ男。
『気色悪い』と言われ、何時もなら反感する彼だが、ここ五日ばかり気にしない。実際、気色悪い程の雰囲気を漂わせているのは間違いないだろう。
故に、相手が不愉快な気分になっているのも、承知している。
上機嫌さを家で漂わせるのは、普段から考えたら、珍しい方である。
だが、上機嫌なのには、理由が、あるのだから仕方ない。
思わず、口元が緩んでしまう男性が居る。
感情を…。
ここまで、徐にするのは、初めてな気がした。
家系上の問題で言い寄ってくる輩が鬱陶しいと、感じていたが、今なら許せる。
媚を売ってくる輩に対しても愛想笑いじゃなく…。
爽やかな笑顔で接する事が出来る。
彼は、そいゆう気持ちにさせている相手に感謝したい。
何故なら、従姉の夫にダメージを与えられているからだ。
面白い事に。
これが、効果覿面。
男性を見るなり、本当に、気色悪いといった表情を浮かべながら、彼は様子を伺っている。
顔には『その、仕事をして下さい』と書かれていた。
だが、仕事云々じゃないのが今の状況だったりする。
先程から、緩みそうな顔を引き締めるのに必死だった。
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