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畳に座ったかと思えば、ぶるぶると、肩を震わせて笑い出す。 余程、従弟の行動がツボったと、見た男性は、涙を流し、お腹を抱えている彼女を映した。 「はぁ…っ、ふふふ…あの子…傑作よ。くふふふ…というより…愚の骨頂っ…はぁ…ぁ…はははは」 悶えている姿が愛らしいのだが、足をバタバタさせるまでのレベルなのか。 笑いながら。 貶しを忘れない彼女を尊敬する…。 「まぁ…」 「はぁ、ふぅ…どの面下げて…言ってくれるのよ…っふ…ド変態野郎」 「あまり笑い過ぎると、お腹痛くなりますよ。笑いながら、罵倒する素晴らしさは、健在ですね…」 「…」 改めて、確認した男性は嬉しそうだった。 女性の従弟に対する、貶しは素晴らしい物だと思っているからだ。 これ、無くなったら…。 鳴澤家が廃ります。 なんて、心の中で思う彼だった。 「私の愛しい妻に、暴言吐くのは、千年早いと、若君は知れば良いと思います。困窮に陥り、嫉視し、己の愚かさを嘆けば良い。その時、私は、多いに嘲ってやります…」 不穏な科白が、男性の口から吐かれた。 表情は、至って笑っているのに、瞳が笑っていなかった。 若君の泣け叫ぶ姿を拝んで見たいと思ったのは、今日が初めてです。 私とした事が、一番の楽しみを忘れていた。 辺りに黒い空気が、漂いながら、何かが蠢いていた。

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