『デザートとは、ナニご？』と聞かれても、浮かぶのは。 デザートは甘味を含み、女性が好きな、所謂、スイーツよね。『ナニご』とは『何語』の事で良いのかしら。 いきなり、振ってくるから、体勢が整わない内に、仇討ちにあった感じ。 でも、でも、詠清さん。 韻を踏んだわ。 「彼処の、超絶不機嫌野郎に、聞いてくれませんか」 同じ、科白を言えば良いのよね。 『デザートとは、ナニご？』と…。 返ってくる言葉は、多分、私と同じ気がするけど。 「克樹…」 「んっ、何。忙しいんだけど」 近くまで私が来ると、凝視した。 「…デザートとは、ナニご？」 「はっ！」 「デザートとは…ナニご？と、聞いたのよ…」 詠清さん、従弟なだけあり、全く同じ反応を示してるわよ。 この、居たたまれない空気…。 どうしてくれるの。 克樹が、仰天した様子なんて見た事無かったけど、痛い人と見るのは止めてくれないかしら。 ただ、質問された事を、私は聞きに来ただけなのよ。 何か…。 引っ掛け問題な気がしてきた。 二人にバレない様に、小さな溜め息を吐く。 この問題という名の質問の裏って、何かしらね。 態々、聞かせに行かすくらいだから、意図があるのは解っている。 だけど、詠清さんも、変な質問を何処から、持ってくるのかが不思議だわ。