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「実戦プレイしてみます?」 実に、妖しく、綺麗な笑みを溢す。 「するわけねぇだろう。というか、いつの間に、脱がしているんだっ…」 「深李様が、櫓立ちや、抱き地蔵を、考えている間にです」 「おいっ、上だけで、良いだろうっ…」 凄技ともいえる早技で、男性は、ちゃっかり。 ズボンにまで、手を掛けていた…。 油断も隙も無いというのは、彼に使う言葉だと、男性は内心思った。 「いいえ、全裸で、お願いします」 「はぁぁぁん…?」 「全裸で、お願いします」 「…」 全裸にして…。 疚しい事をしないという保証は、あるのか。 考えただけで、悪感してきた。 同じ男の。 裸を、見て。 面白い事って…。 需要あるのかを知りたい。 この状況でアレなんだけどな。 俺、一瞬、ポカンとなりそうな思考を現実へ戻した。 何故なら…。 頭の中には、母上様の小説に使うエロ声で、小悪魔系にしようか、がつっり男系にしようか。 はたまた…。 エロエロ綺麗系のお兄さんにしようかなんて、構成が出来上がっていて。 危険状態な筈なのに、脳内は、構成を止めない。 なので、ポカンと、なったものの、脳内は、性描写が流れている。 彼は、従兄弟が脱がせようとしている状況の中、悠長に小説の朗読内容を考えていた。

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