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偏見はなかったし、寧ろ、興味を持った。 この人は、キスをしたら…。 紅く、頬を、染めてくれるのか、愛撫とかしたら、どうなっちゃうんだろう。 もしかして『み、見るなっ』とか、言って。 扇情的な、感じに、色っぽく? ううん、抱いたら…。 形良い唇から。 ー…甘い喘ぎ声が漏れるのかな。 鳴呼…。 抱きたい。 抱いて、聞いてみたいな。 書くのは、好きだけど。 思わせた人物は、深李さんが、初めてだった。 「章タイトルも…仮のままじゃいけないか。敢えての…ギャグとかありかな。あぁ、けど、ラヴコメぽっく、きゅんきゅん、あったりも良いよな…」 庭で、二十四の男が、ブツブツ、独り言を呟いているのは、非常に、怪しいだろう。 『ラヴコメぽっく、きゅんきゅん』と。 吐いた時点で、アウトだ。 だけれども、小説を、執筆する時は、常に、同じ感じで、一人、世界に、入りながら、文章に、していく。 例えば、先ほど、妄想に浸り、性描写を文章にしていくと、何とも、エロティックなシーンが出来る。 場所的には…。 彼の家で。 少し、世間話をしてからの、お酒を飲む。 そんな中で、頬を若干、染めた男性は、色気を醸し出している。 『何だ?』と、思うと…。 彼は、ほろ酔いだったという。 場面が、一つ出来上がるのだ…。

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