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だからだろうか、つい間が差し、携帯の画像を添え付けたメールの送信ボタンを押してしまった彼。 『あっ』と、気付いた時には、遅かった。ピロリンという効果音を聞いた男性は、凝視した。 「倉科、今の音は…」 「…っ」 「誰に、送信したぁぁぁ…!!!」 携帯を確認すると、件名には『活きの良い真鯛の頭は、ナニ専用』と、記されており。送り先は、龍華 志龍となっていた。 彼の全裸プラス生物を盛った写メを送ってしまった事は。 大失態。 「送る相手を間違えました」 「はあああん…」 「志龍様ではなく、鳴澤 奈篦様に送る予定だったのに」 「お、おま…っ…母上様に送ったって…。他人に送ろうとかの前に、ヤバいと、気付けぇぇぇぇ…!!!」 勢いよく起き上がった事により、生物が全て身体から落ちる。 何で、母上様に送るんだ。 男性は、焦りながら携帯を眺めた。 どうして、自分の写真を送らないといけない。 母親が見たら、喜んで“脅し”のネタに使われるのを知っている彼は冷や汗を垂らす。 『どうか、母上様の瞳に映りますせんように…』と、祈ったが、翌々、考えれば無理な話だ。息子の写真だろうと、ネタであれば、使う。 それが、小説家としての母親。 伊達に…。 サイトを開いている人気作家ではない。 男性は、彼を一瞬、恨みたくなった。

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