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【深李side】 「食べ物の粗末は、いけません…!!!」 ごもっとも。と、言ってやりたいが、食べ物で遊んだ奴が言う科白じゃねぇ。 俺は、倉科から携帯を取り上げ、内容を確認した。 件名には『活きの良い真鯛の頭は、ナニ専用』と、記されている。 送り先は、龍華 志龍に設定されている。 あぁ、母上様の名前だ。 俺、倉科に遊ばれていた事より、母上様の目に晒される方が耐えられないかも。 低身長、ド鬼畜女なんだぞ? 息子の恥ずかしい写メなんて見た日には良い笑い者にされる。故に、脅しの材料として、利用するに決まっているんだ。 「俺の…人生が」 半分以上、終わった気がする。 四十八歳の男が、テーブルに、全裸で寝そべり、生物を盛られ。 大事な部分には真鯛の頭ときた。 壮絶感どころより、劣等感。 益々、実家に帰りたくない病が発生しそうだ。 あの写メ、取り返すのに何日掛かるだろう。 果たしたら、何ヵ月に成りうるかも知れない…。 小説の朗読だけでは、済まされなさそうな匂いが、今からでもしそうな勢いだ。 その内…。 『自分の小説を書いてみなさい』とか、無茶ぶりしそうだけど。 小説に関しては、母上様が上だから無い。だとすれば、新たなジャンル明けをしそうで恐ろしくなってきた。

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