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第十三話:低身長、胸が豊富な、ドが三付く腹黒魔王に、ご注意!!!(克樹side)
ー鳴澤家・ライラックの間
小説の執筆を、ある程度終わらせた俺は、一息付こうと、ライラックの間へ行った。
黒い長い髪、少し垂れ目がちな美しい女性が座っている。
今日は、お客さんが来る予定は、無かった筈だけど。
白い着物に描かれた椿と牡丹の花は、女性にピッタリな印象を与える。
「すみません、お客さんが、来ていたとは…」
俺は、一礼をし、急須に湯を淹れた。
「お初目に掛かります。鳴澤家、御上。私、龍華 志龍と申します」
「…」
龍華家の姫?
「龍華 深李の母です」
ー…えっ。
深李さんの母親?
俺は、瞬きを何回か繰り返す。
見た目は、従姉と同じ年齢に見える。
「…若君が、驚くのも無理ありませんよ。志龍様を最初、見た方は、皆、同じ反応を示します」
四十八歳の、息子が、居るとは思えないぐらい若い感じがするもんな。
深李さん、一人息子だし。
一体、幾つに出来た子なのか気になる。
それ故に、龍華家の姫という貫禄があるのも彼女の特徴って、感じがする。
他家の者を見るとすれば、社交辞令という名の媚を売るパーティーぐらいだ。
こうして、間近で見る事なんて滅多に無い事だと思う。
況して、有名な龍華家の姫ともなれば、誰だって、一度は、拝みたくなるくらいの人物。
正に、俺の瞳に映る女性だ。
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