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奈篦と並べば、尚更、同年代と言っても、おかしくないレベル。 深李さん。 貴方の、お母様、犯罪級ですよ。 気品溢れているし、美人だし、色気だだ漏れじゃないですか。 世の男性が、放っておかないタイプです。 「私の顔に…。何か…?」 「いえ。ただ、目元が深李さんに、似ているなと、思いまして」 垂れ目がちな双眸は、深李さんと似ている分。 あぁ、親子なんだなと感じる。 深李さんが童顔なのは、お母様譲りなのか。 年齢の割りには、若く見えてしまう不思議さは。 「ー…目元…ですか。確かに、似ていると言えば似ているのでしょうが。あの子は、素直に認めたりしないでしょうね…」 「母親の件は、聞いた事がないので、何とも言えません。ですけど…。俺は、似ていると思いますよ?」 「鳴澤家の御上に褒めてもらえて光栄です。実は、貴方にお話があったので、今日は立ち寄らせて頂きました…」 龍華家の姫が言う様に、深李さんは認めなさそうだな。 でも、顔を赤らめて悪態付いている姿が浮かんでくるんだけど、何でだろう。 小説の執筆の合間にと、休んで考えるつもりが、まさかの展開に頭が付いていくのが少し遅れた。 こうやって、改められると…。 逆に緊張してしまう。 何を言われるのか、どんな言葉を待っているのかとか。

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