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12ー10

女体盛りじゃなく、男体盛りとか、ウケ狙っているとしか思えないけど。羞恥に乱れる深李さんを、生で、堪能出来る事は、羨ましいと思う。 否、倉科 海凰が食わせ者だから、こなせる技なのか。 「何をやっているのかしらね。食べ物を粗末にして」 被害者である深李さんには悪いけど、俺も遣ってみたいと思ったのは内緒。 「えぇ…」 「海凰なりの、抵抗って、捉えておくべきかしら。どちらにせよ、海凰では深李の問題視には、手に負えない範疇だと知ったわ。龍王は、納得いかないかもね。鳴澤家の若い御上が運命の相手だって事に」 「ねぇ、龍華 深李の問題って何なの?能力を目覚めさすには倉科 海凰が、打ってつけじゃない。それなのに、ド変態な克樹が向いているなんて可笑しくない?」 「言ったでしょう?深李が、引き寄せるのは“恋愛に、何らかの理由がある人間”なんだと」 思わず、きょとんとした顔をする。 『恋愛に、何らかの理由がある人間』って事は、遍歴があるという意味で当たっているだろうか。 臆病風に吹かれて、曖昧な関係を続けてきたではあるが、見向きもしなかったのは本当だ。 俺が、深李さんに惹かれたのは、運命だったのだろうか。 だとしたら、それは嬉しい…。 俺が運命の相手とか。 ー…これは、喜んで良い事なのだろう。 ただ。 “龍”が問題だ。 認めてもらえるかは、俺の行動って感じがする。 まだ、お逢いした事はないが、龍華家の“龍”は、厳しそうなイメージ。 掟とか、上手くこなせるか解らないけど。 やるしかないだろう。 深李さんと、結ばれる為なら、一肌脱ぐのも悪くない。 この俺が本気で惚れた相手…。 少しくらい大人の男性として見栄を張ってもバチは、当たらないだろう。 普段の馬鹿らしさを抜かしたら、残るは。 鳴澤家の御上としての顔だ。

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