115 / 116

13ー1

ー龍華家・葵の間 「あぁ、この部分を『俺は、お前の甘い声を聞きたいのだが?』と、若干、低めか…?俺の声が、バリトンなら、いけてる」 一人、頭をわしゃわしゃと、掻きながら、薄い小説を持ちながら、悩む青年。 何故…。 悩んでいるかと言うと。 「悩むくらいなら、誰かに頼みさない…」 「そんな人が居たら、悩まないよ。大体、読書男子は居ても、腐男子という特有のBL小説専属だけを読んでいる男子が存在するかも解らないだろう」 「まぁ、お前みたいに、声を使って、家で読んでいる十代は、居ないでしょうね…」 「そいゆうなら、声を録音出来る器具を、買ってくれ!俺も助かるし、母上様も、小説に役立つという一石二鳥の道具。何と、今なら、十万ちょい」 居間にやって来た、母親に、彼はムスッとした表情をする。思わず、この前、見た本を思い出し。 無理を承知で、頼んでみた。 「へーっ、こいゆうの売られているのね。てっきり、専門学校にしか無いと、思っていたから、高校を卒業したら…通わせようかと、考えていたわ…」 「えっ」 「従妹から、パンフレットを貰ったのよ。声を使った仕事をさせたいなら、専門学校に、通わせるべきだって。何も…アニメだけじゃなく、ゲームとか、映画の吹き替えとかも、出来るからオススメとか、言っていたけど。今の…深李だと、絶対に、声を鍛えるのに、必死だから…行かないと、見なしたわ…」 「高校三年通って、また、三年とか…。どんだけ、学園ライフを、過ごせと言っているんだよ」 というか、今が、絶世紀なライフ過ごしている中で、声を活かした仕事をするのに、特殊な専門学校に、通いたいとは思わない。 寧ろ、機具を、買ってもらった方が、何倍もお得。 「まぁ、お前が、欲しいというのなら、パソコンで、調べて、ポチっておくわ…」 おぉぉぉ!!! 母上様、太っ腹。

ともだちにシェアしよう!