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13ー2
神頼みならぬ、母上様頼み。
俺の母親は、気前が良いかの前に、必要か、不必要かを考えてから、行動に、移す人間だ。
今の、声を使う機器は、必要と…。
判断された。
「有り難う…。母上様」
「タダじゃないわよ。お前が、大人になったら、確り、声で、仕事をするという、条件付き。だから、専門学校にも…通わなくて宜しい…」
やっぱり、タダじゃなかった。
義務教育ではないが、学生の、悲しい性。
「うぅっ」
「とりあえず、新作の小説を、書くから、その前に、揃えておいてあげるわ…」
「…」
「まぁ、一括よね。分割や、デビットって、面倒臭いし。それに、旧家ならではの意地というのもあるし。払えないと、私の名が、廃る…」
母上様、それ…。
何となく、想像していたけど。
最後の科白は、他家に対しての見栄?
旧家あるある…。
他家の金銭事情が、気になる。
俺だけかも知れない。
『鳴澤家』と『織家』と『朱澤家』?
親しくしているのは『鳴澤家』と『織家』だけ。
『朱澤家』は、あまり、親交が無い。
パーティーとかでも、顔は、見た事が無いけど、多分、お上品な感じの女性が居るんだろうな。
勝手に、想像していてアレだけど、きっと『織家』に、居るご息女である“澪”さんみたいな感じの女性だったら、上品で、気品があり、おしとやかな上に、礼儀や、仕来たりを、きちんと、学んでいる方なのだろう。
ああいう、女性を。
“出来る女”と、言うのだろう。
だが、俺の知る女性は、母上様みたいな腹黒い女性だから、一般的な女房体質の、良妻賢母みたいな女性を、知らない。
要するに、一般女性を知らない訳で。
華やかに飾った女性は、自棄に、香水臭く、お酒臭い匂いを漂わせているイメージ。
財産目当ての為なら、身体を使って、手懐けるという女性特有の技を使う現場に、遭遇したいたいけな高校生は、金を積まれても、大人の事情には、口を挟まないと、決めた。
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