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がんばったから、もうやめて
下腹部がきゅんきゅん切なくなって、どんどん追いつめられる。
さざ波のように身体中を支配する性感が怖くて、まとわりついた熱を振りほどきたくて。
指先が真っ白になるまで枕を握りしめ、かぶりを振った。
「ッぁ、あッ、アッ、ゃあ……っひ、ぁアぁあ……ッ!!」
髪を振り乱して、枕に横顔を押し当てる。
腰が絶頂に向かって浮きあがる。
もう煮えたぎってぐちゃぐちゃになった脳みそは使い物にならない。
「イって、みーちゃん。ちゃんと見ててあげるから」
前も後ろもぐちゃぐちゃに弄くりまわしながら、兼嗣は高揚したように囁く。
こちらをじっと見つめる視線に、狂わされる。
「……っうぅ゙……、みるなよぉ……!」
理性も矜持もギリギリで、涙で視界が霞む。
イヤイヤと譫言のように悶え、意味のない嬌声がひりつく喉から迸る。
やつの肩口に抱えられた脚、ひくつく太ももに歯を立てられ、汗の浮く内側の筋にぬろりと舌が這いずった。
その感触にぞわっと背筋が粟立ち、自身のぱくぱく開閉する窪みには指先がねじ込まれる。
「ッ──ひァ……! あっ、やァ……んっ!」
鋭い刺激にひぃっと腰が引けて、逃げた先には尻を貫く指が根元までつっかえて、どこにも行けない腰を、さらにめちゃくちゃにされて。
触られただけで飛び跳ねる、ナカのじんじん疼くところを、コリコリ引っ掻いて、指で挟んで揺すられたら、もう。
「ッ、っ……ッ──! ひ、やァあッ、あっ、ぁあ……っ!」
暴力的なまでの愉悦に、全身がただの熱い芯の塊になったみたいに震えあがり、硬直して。
激しい濁流に追いやられるように、昇りつめる。
内側から押しよせる獰猛な快美に、目の前が白く、鮮烈に弾けた。
「~~っッ! ッあ、ァあ゙……ッ、く──っ! ──……ッッ!!!」
声も忘れて、びくびくびくっ、と一層大きく痙攣した。
顔面に白濁が勢いよくかかり、とっさに目を瞑る。
一瞬、キンと耳鳴りがして、何も聞こえなくなって。
魂だけが抜け出したみたいな、身体がなくなってしまったような浮遊感がしばらく続いたあと、ゆっくり、脚をおろして横に倒れる。
「……っ、……ッん、……っは、ぁ……っ」
操り人形のように全ての力を失って、マットレスに身体が沈みこんだ。
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