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本当に、心底、だめ

 虚勢も忘れて、潤んだ涙声で兼嗣の胸を押した。 「や、だ……やだ、本当に、いやだっ、これ、ケツ、も、壊れてる……っ!」 「大丈夫、壊れてないよ」 「……もっ、やめろよぉっ、たのむ、からっ、はやく……抜いて……っ」  ほんとに、とにかく一回抜いてほしい。  動かれるとずくずく重だるくて、甘い刺激が、いき過ぎた電流になって下半身を痺れさせる。  暴れると自分にダメージが返ってきて、でも弱い抵抗はただの上辺みたいに捉えられる。  何とかうつ伏せになったら、兼嗣のが奥を突いてしまって、ふにゃりと身体の力が抜けた。 「やッ、ぁう……っ、ん、んぅ……ッも、できない……っ、」  身体が、思うとおりに動かない。声にだって全然覇気がない。  自分の体重さえ支えきれず、ぺたりと胸がシーツに擦れる。  逃げようと這いつくばったら、腰を掴んだ兼嗣の体重が、重くのしかかる。  ゆるんだ後孔と、そこから溢れてくる毒のような熱にぐずぐずになりながらも、身動いだ。が、その姿勢が悪かった。  尻だけが高くあがり、ひくひくと腰が誘うように揺らめく。  そんな誘惑するみたいな格好に、全く言うことを聞かない自分の四肢が恨めしい。 「あっ、ん……も、いやだ、やめろ……っうぅ……、やめたい……」  呟いた声は力なくかき消える。  大きな熱い手のひらが性感を引きずり出すように胸にまわって、ぞくぞくと震えることしかできない。  目を瞑ると、青い枕にぽたりと雫がこぼれ落ちて、濃い染みをつくる。 「はあ……っ、みーちゃん、ずっとこうしてたいよ……」  耳の裏に唇を押し当てながら、やつはうっとりと囁いた。 ……生き地獄だ。

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