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暴露

「あっそうそう、俺色々買ってきたんだった。ちょっと待って」  そう言って、花岡は持っていた薬局の袋からペットボトルの水やお茶の飲み物、ゼリー飲料や解熱剤、そして額に貼るタイプの冷却シートを取り出して。 「とりあえず水は枕元に置いとくな。薬は?」 「ん、廣瀬にもらって飲んだ……。消炎作用のある解熱剤とかって……」 「じゃあそれたぶん正解だな。ゼリーや他の物は冷蔵庫入れとく。あとなんかいるものある?」 「……うん、大丈夫」 「朝日……? なんか朦朧としてる? しんどそうだね、横になってなよ」  眉を八の字にして顔を覗かせてきた花岡に促されるまま、俺はおもむろに布団に潜りこむ。  吐き気は仰向けより横を向いたらまだ楽になった。  頭の膨張した血管が鎮まり、頭痛も少しずつマシになる気がする。 「身体は? どっか痛いとか、あるの」 「……下半身全部、と、頭」 「熱、あるんだってね」 「らしいな」  でも高熱のわりにあまり寒気はしない。  むしろ布団の中は眠気を誘うくらいぬくぬくしていて、それは廣瀬が俺に厚着させていたからということに今さら気づいた。  インナーは二枚とも自分のだけど、一番上に着ている白いシャツは見覚えがあるから、廣瀬のものかもしれない。  窮屈にならないようダボついたものをあえて着せたのかも。  いやな役回りばかりさせてしまったこと、あとできちんと謝っておかなくては。 「ほんと、何したらそんなになるの……」 「こっちが聞きてえよ……。子どもの頃、事故った翌日もこんなだった。そん時はわけ分かんねえんだけど、後から倍の反動が筋骨にくる感じ……」 「そっか。そうだよね……。乱暴にされたら、身体へのダメージは事故並みだ」 「……こんなの、ずっと続くのかな」 「え?」 「何でもない。ちょっと寝る」  何だか変なことを口走ってしまった。  きっと熱でぼんやりしているせいだ。

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