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喧々囂々

……自分は信用してるのに、相手が信じてくれないの、つらいよな。  だからって、むやみにさらけ出して、他人から可哀想な人間だとみなされるのも嫌で、可哀想な自分を受け入れる強さもなくて。  その不器用さが怒りのように表面に出る。  ここ最近美夜飛の心境を聞くことが多かったせいか、こんな場面なのに同情してしまう。 「うるっせえカス! 今さらお前がそれを言うんか!」 「だってっ、そんな言い方じゃ分かんないよ!」 「てめえが急に気色悪ィこと言うからだろ! それも人前で、平然と無害みたいな面して意味の分からんことを! お前のそういう周り見えなくなるところにっ、こっちがどんだけ迷惑被ったと思ってんだクソ野郎!」 「クソ野郎とか今は関係ないよね?! 俺はただっ、みーちゃんの口から本当は何があったか聞きたかっただけで!」 「ほんとのこと言ったって、どうせ言い訳くさくなるだけだろうが! つーか実際そうだろ! 何でもかんでも疑って、それは俺の責任じゃねーだろ!」 「だったら普通にそう言ってよ! なんですぐ怒るのっ?!」 「怒ってねーから! てめえがイライラさせるようなこと言うからだろっ!」 「それ怒ってるよね?! 大体なんでみーちゃんがここにいるの? 裕太とそんなに仲良かった?!」 「……はっ、今のお前よりは仲良いかもな」 「……は?」  兼嗣の低い声に、俺だけびくっと肩が跳ねる。 ……これ、やばくないすか。やばいよね。  一瞬、部屋が静寂に包まれて、やつの纏う空気が急転した。

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