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第2話

 駐車場から直通のエレベーター前で、少し離れて待機していると、百合の彫刻されたドアが左右に開いた。  SPに守られて出てきたのは金髪の大男と、黒に刺繍の施されたチャイナドレスに身を包み黒の沓をはいた、ショートヘアの東洋美人だった。歩くと翻るドレスのスリットから綺麗な脚線がちらちらとのぞく。  隆人がにこやかにレヴァントを見上げながら英語で挨拶を交わしている。  隆人は身長が百八十センチはあり、日本人としては背が低い方ではない。この来客が大きすぎるのだ。  一方の微妙な笑顔のレヴァントの妻も背が高い。目を合わせるのに視点が上がる。  レヴァント夫妻には、遥は子どもに見えているかもしれない。遥は己の容姿コンプレックスが頭をもたげてくるのを感じた。  隆人が遥を示して『マイ パートナー、高遠遥』と言ったのに対して、レヴァントは『マイ ワイフ、狼小蓮』と紹介した。  そう言われた小蓮はキッと強い視線をレヴァントに送った。 『高遠(たかとお)(はるか)です』 『(ラァ)小蓮(シャオレン)です』  にっこりした美人のその声はやや高めではあったが、どう聞いても女性の声ではなかった。

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