189 / 191

第6夜 第31話

肌がぶつかりあうたびに捺くんの身体が跳ね、絶頂が近いことを知らせる高い喘ぎをこぼしていく。 「……っ、も、まじで……ッ…」 「もう少し我慢して? 俺もイくから」 頬を撫でれば潤んだ目を一層潤ませて堪えるように唇を噛み締める。 きつく締めあげてくるナカに吐射感をつのらせながら、前立腺をえぐり抜き差しした。 「……ンっ……優斗…さ、ん…っ」 ムリ、と背中をしならせる捺くんをラストスパートと揺さぶる。 「ッ……あ、あ…っ!」 びくびくと身体を痙攣させ、ドライでイった身体は全身を強張らせ、ナカは痛いくらいに俺のを締めつける。 限界を感じて奥へと突き挿し吐精する。 同時に濁った先走りをあふれされていた捺くんのを握りこみ強めに扱きあげた。 脈打ちあっというまに欲が吐き出される。 俺は全部を注ぎ込むように腰を動かし続け、そして絶頂の余韻に浸る捺くんを抱きしめた。 ―――――― ――――― ――― 「お風呂は?」 脱力しきってる捺くんの髪を撫でると、欠伸混じりに俺を見る。 「んー、もうちょっと休んでから」 言いながら捺くんの背中に回ってきてまだ何もつけてない肌に顔をうずめる。 「大丈夫?」 一回ほぼ同時にイってから、そのまま二回戦になだれこんだ。 余裕なく俺は捺くんを突き上げまくってしまった。 「ん。へーき。気持ちよかったし」 悪戯っぽく笑う捺くんに思わず俺も笑って軽くキスする。 「俺も気持ちよかったよ」 バカみたいに、昨日までの憂鬱さが嘘のように甘い気持ちだけが全身に広がっていた。 きつく抱き締めれば抱きしめ返されて、手放さなくてよかった、と心底思う。 「俺たち相性ばっちりだもんねー」 にこにこしながら、捺くんがちゅ、ちゅ、と気が向いたときにキスしてくる。 ふ、と口元が緩んで、触れてきた唇を甘噛みして舌を差し入れた。 上顎をくすぐって歯列をなぞって、だけど激しくはなく静かに捺くんの舌に絡めた。 互いを感じるように舌を舐めあって吸い合って。 銀の糸が伝って切れるほどに唾液を渡らせた。 「優斗さんのキスめちゃくちゃ好き」 そう言う捺くんの笑顔がとても綺麗で、嬉しくて、少し照れくさくてそれを誤魔化すように抱きしめる腕に力を込めた。 「俺も捺くんのキス大好きだよ。あ、でも今日はなんだかキスばかりしてるね」 照れ隠しで笑いながら言った、ら―――。 「……」 それまで満面といえる笑みを浮かべてた捺くんがふと何かを思い出したように眉を寄せて口を尖らせる。 「……そりゃ誰かさんが、バカMのヘンタイに唇奪われたりーしてるから」 「……」 俺の中では悪いけれど捺くん以外の好意はどうでもいいから、本当にすっかり存在さえ忘れてしまっていた。 やばい、と苦笑い半分で 「ごめんね?」 と謝り倒しキスを落としながら、なんとか捺くんの機嫌を取っていった。 ―――でも、クロくんのことを思い出すと気になることまで思い出して、そして好奇心がわいてしまって捺くんが機嫌悪くならないようにと頬を撫でながら訊いてみることにした。 「……あのクロくんのことなんだけど」 「……なに?」 案の定、またムッとした様子の捺くんに曖昧に笑い返す。 「いや、そのクロくんと朱理くんってうまくいってないの?」 俺を好きだとか言っていたけれど、朱理くんとは実際どうなんだろう。 店でクロくんと朱理くんを見たとき俺と捺くんのように仲が良さそうには見えなかった。 「あー……。うまくいってるよ、あいつらは」 「……そうなの? でもなんでクロくんは俺のこ……」 じろりと捺くんが不機嫌さを現した目で見つめてくる。 咳払いして誤魔化そうとしていたら、深いため息をついて捺くんが身体を起こした。 サイドテーブルに置いていたミネラルウォーターを飲み、口元をぬぐいながらもう一度ため息をつく。 「あいつらのところは、なんていうんだろう。熟年夫婦みたいな感じっていうか……」 「熟年?」 「そー。クロと朱理は幼馴染なんだって、で、もとは朱理がクロのこと好きで。そんで中3のときらしいけ ど朱理が強引にクロを説得して付き合いはじめたとかなんとか」 「……説得?」 俺も捺くんと同じように身体を起こしベッドヘッドにもたれかかった。 問い返すと、目をしばたたかせ言いにくそうに苦笑する捺くん。 「んー……まぁぶっちゃけたこと言えば、クロを襲ったーとかー」 「……」 「あ、でもネコは朱理!! エッチした初めてが朱理で童貞奪われたとか言ってたし」 「……」 「ああ、でもあそこ今はリバだよ。二回目のエッチで処女奪われたって言ってたし」 「……」 その話を俺が聞いていいんだろうか。 聞いちゃいけないことを聞いてしまった気分になって、捺くんが飲んでいたミネラルウォーターを口移しで飲ませてもらう。 捺くんの口端から少しこぼれてしまっていたから舐め取ると、目が合ってどうやら機嫌が回復したのか笑顔に戻った捺くんが唇を触れ合わせてきた。 バードキスをしながら、話しの続きに戻る。 「まあそんで、無理やり交際が始まって……次の日には学校中に広められてたんだって、朱理に」 「……」 「男同士なんだけど、朱理って生徒会長とかしてたらしくって、うまくまわりに認めさせて公認だったらしいよ」 「……ふうん……」 居酒屋で初めて会った朱理くんのクールそうな雰囲気を思い出す。 なんというか……罠にかかってしまったクロくんをイメージしてしまうけど……。

ともだちにシェアしよう!