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第2話

「んっあ、あ!! 捺くんっ、激しいっ」  ベッドの上で喘いでるのは女子大生で巨乳のカナちゃん。  何回かエッチしたことあるカナちゃんを久しぶりに呼びだして、ヤってる最中。  ベッドがギシギシなるくらい激しくカナちゃんを突き上げる。  やっぱり女の子は気持イイ。膣内はあったかいし、俺のをぎゅうぎゅう締めつけてくるし。  擦れあう感触に俺は息を荒くして吐射感を強める。 「カナちゃん、バックね?」  いままで正常位だったのをバックに変える。  四つん這いにさせて突っ込みながら、大きいカナちゃんの胸を揉みしだいた。  ああ、やっぱ女の子だよな。  正直、こうやって付き合ってもない女の子とするのは半年ぶりとか。  去年の12月に転校生だった実優ちゃんを好きになってから女遊びは控えてた。  でも実優ちゃんはあの松原と付き合いだしたし。  それに最近オナニーばっかりしてる俺。  あの罰ゲームからもう2ヶ月もたってるっていうのに、相変わらず俺のおかずになってるのは例のムービーで。  まじありえねぇ。このままじゃヤバイんじゃないかって思って、今日こうしてカナちゃんを呼びだした。  女の子とヤってるとホッとする。  やっぱあんなムービーで興奮してる俺はちょっと気が迷っただけで、今の俺が本当なんだって。  あんな、あんな松原とのキスなんて。  カナちゃんとヤってることに比べれば――……全然……。  カナちゃんのお尻を鷲掴みにして激しくピストンを繰り返しながら、ふとよぎったのは松原と実優ちゃんのセックスだった。  あの二人はどんなセックスすんだろ、って。  松原は絶対Sっぽそうだし、あいつはどうやっ―――……。 『イケよ』  とか、えろくさい声で言いそ……。 「……ッあ、あ!!!」  って、気づいたら俺は、カナちゃんの中に、もちろんゴム越しにだけど欲望を吐き出していた。 「んぅ、あん……」 「………あ」  カナちゃんもちょうどイってたらしい。  そのことに安心しながらも、唖然としてしまう。  俺、最後なに考えてた?  あ、あ、ありえねー!!! いや、まじでナイナイナイナイー!!!  フィニッシュで男のこと考えてイったとかありえねぇだろ。  気のせいだ気のせい。  うん、きっと間違いだ。  ベッドの端に腰かけてゴムの処理をしながら頭ん中で必死で否定する。 「捺くーん、よかったよ~」  甘ったるい声でカナちゃんが俺の背中におっぱい押しつけながら俺のほっぺたにチューしてくる。  3つ上だけど、可愛いカナちゃん。  それに気持よかったし。  うん、だから、最後のはなんかの間違いだ。 「カナちゃ~ん」  ティッシュに包んだゴムをゴミ箱に投げ捨てて、振り向きざまにカナちゃんのおっぱいに顔を埋めてベッドに押し倒す。  もう捺くんたらぁ、なんて言いながらもカナちゃんは2回戦ヤるき満々。  たいてい俺、3回戦まで平気でヤるからいつもならこのまま突入するんだけど――。 「……カナちゃん、ジュースでも飲む?」  にっこりカナちゃんに笑いかけて、カナちゃんから離れてベッドから下りた。  ちょっと不満そうなカナちゃんの表情を横目に見ながら冷蔵庫からコーラを取り出してカナちゃんに渡して、床に膝まづいてカナちゃんを上目遣いに見る。 「明日1時間目にテストあんの忘れてたよ~。カナちゃんとすんの気持イイからさー、何回でもできそうなんだけど、あんまりヤりすぎたら勉強したこと忘れちゃいそうだから今日は一回でやめておくね?」  美少年っていうのをフル活用で満面の笑顔を作って言えば、カナちゃんは顔を赤らめた。 「テストなんだぁ。勉強ちゃんとしなきゃだめだよぉ? がんばってね?」  コーラを開けながらカナちゃんは笑顔を返してくれる。  それにホッとしながらカナちゃんにキスして――俺はどうしようと焦っていた。  いつもなら、いつもならすぐに勃つのに!  カナちゃんのおっぱいにつられて勃つのに!!  どうしてか今は萎えたままだった。  頭ん中が変にもやもやしてる。  あんまり突きつめて考えたらよくないことのような気がして、俺は必死になって何も考えないようにしようとひたすらカナちゃんに話しかけていた。  そして2時間の休憩を終えてラブホを出て駅に向かう途中で――見かけた。  オシャレなレストランの前に一台の白のBMWが止まってる。  運転席のドアにもたれかかって煙草をふかしているのは……。 「……あ」  スーツ姿で髪型もきっちりセットしてある美形の男。  ついこの前まで教師をしていたなんて思えない―――あの罰ゲームの相手、松原晄人だった。  見るのは、久しぶりだ。あの時以来会ってない。  教師の時だったら会うこともあっただろうけど、松原はもう学校にはいないし。  実優ちゃんの彼氏だからといって、28歳になる大人が高校生の俺たちと遊ぶなんてことねーし。 だから、ほんとうに2カ月ぶりで。  相変わらずむかつくくらいにカッコよくて。心臓が、跳ねた。  ……はぁ? 待て待て待て。  跳ねた、ってなんだよ。  おいおいおいおい!!!  なんでいま俺ドキドキしてんの!?  おかしいだろ、俺! しっかりしろ、俺!!!  立ち止まってブンブン首を横に振ってると、「捺くん?」ってカナちゃんが不思議そうに見てくる。 「……あ、ごめん。なんでもな――」  なんでもない、って松原から視線を逸らそうとした瞬間、松原と目があった。  大通りを挟んで向かい合わせの位置にいる俺と松原。  松原は俺に気づいたようで、俺の横、つまりカナちゃんに視線を走らせるとニヤっと笑った。  煙草を口に咥えて、軽く片手を上げたかと思ったら拳を握って……親指を出している。 「……エロジジイ!!」  セックスを示すその指の表現に、なんでか俺は真っ赤になって叫んでた。  その声が聞こえたのか聞こえてないのか、松原は飄々とした顔で煙を吐き出して笑っていた。 「どうしたの、捺くん?」  カナちゃんがぽかんとしてる。  我に返って、「なんでもない」ってごまかしてカナちゃんを引っ張って駅に向かった。  街中で堂々と下ネタかよ、なんて思いながら――。  松原が俺に気づいてくれたことが嬉しいと思った。 「……って! ちがーう!!!」 「えっ? な、捺くん?」  突然叫んだ俺に、カナちゃんがびっくりしてて、でも俺はもう何も言うことができなかった。  ただ、ふわふわ浮ついてきてる頭ん中を宥めるので必死だった。 ***

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