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第11話

 なにが――って訊こうとしたけど、それより早く、一点を擦るように松原が指を動かしてきた。 「すぐ良くなってくるから、ちゃんとリラックスしとけよ?」 「……え……、な……ん……ッ、あ」  妙なしびれみたいな感覚がじわじわと松原の指のあたりから広がって来る気がした。 「……っ、ん……なに」  ぞわぞわとした快感みたいな、今まで味わったことのない感覚。 「前立腺だよ。お前は……俺の指の動きにに集中してろ」  松原の指はたまに止まったかと思うと、そっと動きだしたりする。。 「前……? ちょ………っ、ま……て……っ」  おかしい。  変だ。  だんだん気持よくなってきてる。  なんで――。 「捺……、余計なこと考えるな。黙って集中してろ」  さっきまで鬼畜発言ばっかりしてたくせに、妙に優しい声。 「……う、ん……っ、ぁ……あ」  そうしている間にも指は後孔の中を擦りあげていって、ぞくぞくとはっきりした快感が襲ってくる。  びくびく、小刻みに身体が震えだして吐射感じゃない、いままで感じたことない気持よさに頭の中が支配されていく。 「っ、ぁ………あ、ん」  自分の口から勝手にでてしまう喘ぎ声。  くちゅくちゅって指が動いている音。 「……力抜け、締めつけ過ぎ」 「んっ、わかん……ね……っぁ!!」  身体がどうしようもなく震えてくる。  松原の指の動きがどんどん速くなっていって、耐えきれずにひっきりなしに嬌声をあげてしまう。 「っ、ぁ、や」  とっさに俺の脚をもってる松原の腕をつかんだ。 「ドライ……イケそうだな」 「……ぁ、え、んっ……あっ!」  松原がなんか言ったけど、良くわからなかった。  頭の中が真っ白になってくる。  後孔なのかどこからか、なんなのかよくわかんねーけど、迫ってくる快感にもうなにも考えられない。 「ほら、イケよ」 「っ、……ひ、あ……ッ、ああああ!!!」  急激にせりあがってきた快感に目の前がスパークした。  空中に投げだされたような、掴みどころのない、果てしない快感。 「っあ、んあ!!」  身体を激しく痙攣させながら――生まれて初めて味わう絶頂に達した。 「………ん……っ、……や、め!!!」  余韻のふわふわしてぼんやりと気持よさを味わっていると不意に刺激が走る。  それはよく知ってる刺激で、身体を捩ったら松原が俺のを扱いていた。 「ま、やめ……ッ!!」  まだ絶頂の余韻が続いているのに射精を促すような快感に耐えきれない。 「出しておいたほうがいいからな」  意味わかんねー松原の言葉を聞きながら、1分も経たないうちに俺は欲を吐き出していた。 「ぁ、っく……あ、あ」  強烈すぎる快感。  後も前も解放されたような感覚を覚えながら――俺は脱力して一気に襲ってくる睡魔に意識を手放した。

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