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第31話
「……っ……」
恥ずかしくて目は開けてられなかった。
ローションをたっぷり使って後孔をほぐされはじめて何分くらい経ったんだろ。
すっげー長いような気もするけどたぶんそんなに経ってない気もする。
クチュクチュって、ありえない水音がなってる。
ローションのせいだとしても恥ずかしすぎて死にそう。
「……あッ」
それまで一本だった指がもう一本増やされて圧迫感も増す。
出たり入ったりを繰り返す指の動きは気持ちいいのかどうなのかよくわからない。
「……ん…っ」
たまにビクンって身体が跳ねて、刺激が走るときがある。
でも優斗さんの指はその刺激を与える場所を追うことはしないで。
逆に……あえてそこを外してナカをほぐされているような気がする。
物足りなくて恥ずかしさを感じながらつい腰を動かして刺激を得ようとするたびに優斗さんは小さく笑って指の動きを緩めてしまう。
「ゆ、優斗さん……」
「なに?」
「あの……」
「ん?」
目を細める優斗さんになんていえばいいのかわからない。
……おねだりすればいいんだろうけど。
「……」
「捺くん?」
「優斗さん……」
「なに」
「あ、あの。指が……そのたまにめちゃくちゃ……気持いいところに……」
「当たる?」
「は……はい」
うああ、めちゃくちゃ恥ずかしい!
なんかまじで俺って情けないような気がする。
「そこを弄ってほしい?」
優斗さんは愉しそうに笑いって俺の息子を突然握ると扱きながら訊いてきた。
後ろに指は二本入ったままで息子を弄られて快感が急激に増す。
俺はバカみたいに首を縦に振りながらじっと優斗さんを見つめた。
「本当に可愛いね、捺くんは」
お、おねだり成功!?
「たくさん気持ちよくしてあげるよ」
ゆっくりと後で優斗さんの指が探るように動いて――引き抜かれた。
「んっ……」
水音を立てて出ていった二本の指に、ぞくっと背筋に快感なのかなんなのかわからないものが走る。
息子からも手が離されて、なんで、って思った瞬間、一層両足を大きく開かされて。
そして後孔に熱く硬い――あきらかに太いものが押し付けられた。
グッと先端が押し拡げるように挿ってくる。
ほんの少しだと思うけど指の比じゃない、強すぎる圧迫感に腰が逃げてしまう。
「む、むりッ」
上へ逃げようとしたけどガッチリ優斗さんが腰を掴んで離さない。
「……っあ」
また少し挿りこんできた。
逃げ場がなくて縛られた後ろ手にシーツをギュッと握りしめる。
優斗さんの笑う声がしたかと思ったら体重をかけられ耳を甘噛みされた。
「捺くん、力抜いて」
「むり…っ」
情けなくてもムリムリ!
半泣きになってるとまた優斗さんが笑う。
「男の子なんだからこれくらい我慢できるよね?」
「……っ」
「最初は痛いと思うけど、いっぱいイかせてあげるから。我慢して?」
熱い息が耳をくすぐって、熱い舌が耳孔を這う。
そしてまた腰が押し付けられて、優斗さんのが肉壁を無理矢理拡げながら挿り進んでくる。
「……ッぁ……っ」
痛い。
熱い。
苦しい。
「……ん……ッ」
――なんで。
なんで……――。
――なんで、こんなことになってんだろ?
俺はただ……松原のマンションを見に行っただけなのに。
「っ、ぁ、む……りっ」
ものすごい圧迫感に息がつまる。
ようやく声を絞り出すと、長い指があやすように俺の前髪をかきあげた。
「大丈夫。……力抜いて、捺くん」
優しくって柔らかい声。
宥めるように今度は腰のあたりを撫でられて――そして苦しさのせいで半勃ちにまで萎れてしまった俺の息子に手が添えられた。
ゆっくりと、でも刺激を与えるように動く手。
びくん、とそれに反応して気が緩んだ瞬間。
「ッ!! ぁあっ」
ぎちぎちと、俺の身体は貫かれた。
優斗さんのに、奥まで。
なんで―――
こんなことになったんだろう。
「ほら、入ったよ?」
生理的な涙をこぼした俺の目元にキスを落とす……優斗さん。
今日初めて会った……この人と、なんで……、俺は――。
そして、わからないままに律動が始まった。
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