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第32話
圧迫感はすごいのに、苦しいのに、ローションのせいで滑りはいい。
だから比較的スムーズに優斗さんのは俺のナカを犯していく。
ぐちゅぐちゅ音がたって、初めて味わう突き上げられる感覚と、自分のナカから出ていく感覚。
慣れないソレは身体を震わせる刺激が気持ちいのか全然わかんねぇ。
「っう、あ……っ」
ただ苦しくて、痛みとわけのわからない感覚に息を詰まらせながら律動を我慢した。
「痛い?」
優斗さんが動きを止めて訊いてくる。
俺のナカに挿れてる優斗さんは一層熱っぽい目で俺を見つめてた。
「……だ、大丈夫です……」
さんざん情けないこといったあとだけど、ちょっとだけ見栄張ってみた。
だって優斗さんが気持ち良さそうだから、なんとなく無理とか言えなかった。
優斗さんはふっと笑うと俺の頬を撫でた。
「おりこうさんだね。さっき言ったの覚えてる?」
「……え?」
「たしか――このあたりかな……。捺くんが弄ってほしいって言ったのは」
言いながら半分くらい優斗さんのものが抜かれて、そして探るようにして一点を擦りあげてきた。
「……っあ!!」
瞬間襲った刺激に身体が跳ねた。
それは明らかに快感。
「あたり、みたいだね」
優斗さんのが抉るようにしてソコめがけて突きあげてくる。
「あ、っ……く……ンッ」
勝手に身体が震えてしまう。
圧迫感や違和感はまだ残ってるけど、そんなもの押しのけるくらいの快感が走り抜けていく。
「ここ気持ちいい?」
ぐりぐりと優斗さんのものを押し付けられて痺れるような感覚に声を抑えきれなかった。
「っ、あ、は、はい……ッぁ……っ」
女の子みたいな喘ぎがでてしまう。
めちゃくちゃ恥ずかしいけど、ありえないくら気持ち良すぎて腰が揺れてしまう。
松原にイかされたときと同じような快感。
だけどあのときと違うのはナカをかき回す太い優斗さんのものが俺を貫いてるってことで。
頭ん中がどんどんぐちゃぐちゃになってくる。
後ろ犯されて感じるなんてありえねーって思ってたのに。
「……あ、っあ、ン…ッは」
「捺くんは敏感なんだね。初めてでこんなに感じれるなんて。ああ、でも松原さんにドライでイかせてもらったみたいだし……」
俺と違って余裕そうな優斗さん。
言われてる言葉の意味を理解する暇なんてない俺はただ喘いで。
「……とりあえずイく?」
笑う優斗さんが腰の動きを速めはじめて、俺は一気に快感に染まっていく。
一番感じる部分をひたすら突かれて腰が脚が震えだして。
松原の時よりも激しい絶頂が訪れる予感に、なんか急に怖くなって、
「ゆ、うと……さんっ、っああ!」
助けを求めるように優斗さんを呼んだ。
「イっていいよ?」
縛られてるせいでなにもできないから、すがりつくこともできないし。
優斗さんは目を細めるだけで全然手加減してくんねーし。
逆に一層執拗に突かれて、目の前がチカチカしてきた。
「ッん、あ、む、りっ、もう」
「なにが、むり?」
「あっ、く……ッん、イ、……ッ」
「イク?」
「……っ、う、んっ……! あ、ッあー!!」
耐えきれないくらいの痺れが全身を襲って、まるで宙に放り出されたような感覚に支配されて。
びくびく身体を震わせながらイってしまった。
身体中が痺れてしまったように快感が浸食してる。
荒い息を繰り返しながらイった余韻も気持ちよくてたまらない。
「やっぱり感じやすいのかな。こっちだけでイけたんだね」
ゆっくりと優斗さんが腰を動かす。
それだけでも刺激で熱い吐息がこぼれてしまう。
「……っあ……は……ぁ」
なんでこんなに気持ちいいんだよ……っ。
もう頭ん中はぐちゃぐちゃでどろどろで、これまでしてきたどのセックスよりも間違いなく一番感じてる。
それがいいことなのか悪いことなのか……。
ただいま俺はもうその快楽に捕まえられてしまったのは確かだった。
「ほら、捺くん見て? こっちはまだイってないよ?」
優斗さんの声がしたと同時に、また別な刺激が走る。
俺の張りつめた息子が優斗さんの手の中で脈動してた。
「気づいてた? さっきイったとき射精はしてないんだよ」
「……し……て…」
ナイ――って?
「松原さんに教えてもらわなかった? 射精を伴わないでもイけるんだよ。女性のようにオーガニズムを感じることができる。捺くんはココだけでイったんだよ」
優しい声は俺に説明してくれるものなんだけど……。
なんでだろう、なんだかすごくはずかしくなってくる。
「こっちだけでイくなんて」
そう言いながら少しづつ律動が速まってくる。
優斗さんの硬いものの感触を俺のナカは締めつけながら味わってる。
圧迫感とか違和感とかもうそんなもの全然ない。
ナカを擦られるたびに摩擦の熱が湧き上がるたびに優斗さんのがぎりぎりまで引き抜かれて寂しさを感じるたびに。
なんか……もう――。
「処女だったのに……淫乱だね」
笑いを含んだその声が響く。
たったそれだけで、どうしようもなく頭ん中が真っ白になっていくのを感じた。
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