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第34話

 なにかが額にぶつかって目が覚めた。  なんだかめちゃくちゃ身体がだるくて、ぼんやり目を開ける。 「……」  視界に広がったのは……壁?  なんだ?  触ってみるとすべすべしてて……。人肌みたいな。 「……」  人肌……。はっきりしない頭ん中でなにかが引っかかって、視線を上に上げた。 「……」  ……。 「……ッう!!!」  うわー!!!!!!  って叫びたかった。  でも、寸前のところで口を押さえて耐えた。我慢した!  えらいぞ、俺! って、んなこと言ってる場合じゃねー!!!  俺の目の前には――……目を閉じ穏やかな寝息を立ててる……優斗さんがいた。  そこでようやく俺は状況を思い出す。  きのうのこと、全部。  思い出したとたんにとにかく恥ずかしくて顔が真っ赤になるのがわかった。   ……って、俺はほんとーに処女喪失したばっかの女の子かっつーの!  ……って、処女喪失しちゃったんだけど!!  あああ! だ、だめだ。  優斗さんの寝顔はすごくキレイで、なんか……。  やばいー! やばい、俺、やばいから!  と、とりあえず起きよう!!  なぜか胸のあたりがズキズキして起き上がろうとした。  んだけど……。 「ッたぁ!!」  腰から下に鈍痛が走ってベッドに伏せる。  腰がめっちゃくちゃ重いし、後ろが……めっちゃくちゃ痛いような筋肉痛なような。  思わず腰に手をあてて唸ってしまう。  そしたら優しく腰を撫でられて、掌の暖かさと心地よさに痛みが少しだけ和らいだような気がした。 「大丈夫?」 「は……はい。ありがとうございま――………う、うわああ!」  今度こそ俺は飛び起きた。  でもやっぱり腰が痛くてうずくまってしまうけど。 「ああ、ほらゆっくり横になっていればいいのに」  くすくす笑いながら俺の腰を撫で続けてくれるのはいつのまに起きたのか優斗さんだった。 「……ほ、ほんと大丈夫です」  大丈夫じゃないけど……。  だけどいまはそれどころじゃない!  めっちゃくちゃ気まずくって優斗さんと目が合わせられねー!!  だってだって昨日出会ったばっかりの人! なのに、いま朝でベッドの上って!  いやいままでだって、そういうのあったけど! 女の子となら……。 「無理しなくていいよ。初めてだったのにあんなに無理させちゃったからね」 「……」 「さすがに3回は」 「ゆ、優斗さん!!!」  慌てて叫んだ。  優斗さんはきょとんとして俺を見つめる。 「あの! す、すみません、俺めちゃくちゃ喉が渇いて! 水でいいので……もらえますか?」 「ああ、もちろん。すぐ持ってきてあげるよ」  俺のしどろもどろな言い訳に優しい笑顔で頷いて優斗さんは寝室から出ていった。  ドアが閉まってようやくため息をついて枕に顔を伏せる。  あああ、ありえねー!  もうまじで恥ずかしい。  きのう……初めて会った優斗さんとシて、めちゃくちゃにイった……そのあと。  お互いにイって、しばらく身動きとらずに落ち付くのを待ってたんだけど。  俺の後ろに埋まったままの優斗さんのものが、どう考えても萎えてなかった。 『ごめん、捺くん。もう一回いい?』  そして申し訳なさそうに優斗さんが笑って。  戸惑う俺とは別に俺の息子はきっちり反応してて。  なだれこむように二回戦になった。  もう恥も何にもどうでもよくなって、二回戦ではありえないくらいに乱れてしまってたと思う。  なんかすっげぇ恥ずかしいことも口走ったような気がするし。  そんで二回戦が終わってそのまま寝たかったんだけど――。 『捺くん、申し訳ないんだけど……。俺ゴムつけるの忘れてナカで出しちゃったんだよね。だからソレ掻きだしておかないと捺くんお腹壊しちゃうからね……』  頭の中がぼーっとしてた俺は風呂に入らなきゃいけないんだってことだけはわかって、優斗さんと一緒に入ることになって。  そして――……。 「あああああ……!」  お風呂で優斗さんの指で俺のナカに吐き出された白濁を掻き出されて。 『……捺くん、きれいにあらってあげてるだけなのに、また元気になっちゃったね?』  あきらかに笑いを含んだ声で優斗さんが言って。  そのとおりに、俺の息子はぎんぎんに勃ってしまってた。  それから……またなだれこむように三回戦に突入してしまったわけで。  そりゃー腰も後孔も痛くなるよ!っていう話だ。 「あー、もう……」  なにやってんだろ、俺。  お風呂でヤったあとどうやってベッドにもどったのかさえ覚えてないし。  たぶん優斗さんが拭いてくれたり連れてきてくれたんだろうけど……。 「ああー!」  ジタバタとベッドの上でのたうちまわってるとドアの開く音が聞こえてきた。  慌てて起き上がるけど、ジタバタしてたのを見られてしまったらしくって優斗さんが笑いながら入ってくる。 「どうしたの、捺くん? 挙動不審すぎだよ」  ペットボトルのミネラルウォーターを渡してくれた優斗さんは俺のすぐそばに腰を下ろした。

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