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第三夜 性少年の受難 第36話
「……んっ……ま、って!」
滑らかな肌にすがりつくように手を伸ばす。
「なんで?」
その手を、指を絡ませられてシーツに押し付けられる。
「く…っ、あ、だって……っああ」
首を横に振ると、楽しそうな、だけど少し余裕がなくなってきてる声が落ちてくる。
「またイキそうなのかな?」
スプリングの軋む音。
「……んぁ、っ、く、あ!」
――俺は絡められた指をきつく握りしめて突き動かされる衝撃に唇を噛みしめた。
「一緒にイこうか?」
汗ばんだ身体が俺にのしかかってきて、そして動きが一層激しくなっていって。
「……ゆうとさ、んッ、あ……ッ、あああ!!」
「っ……く」
身体を大きくのけぞらせて、俺は白濁を自分と優斗さんの肌に放って。
そして――優斗さんの欲がゴム越しにナカで吐き出されるのを感じていた。
「大丈夫、捺くん」
ベッドにうつぶせに寝る俺に、ベッドサイドに立つ優斗さんが苦笑気味に俺の頭を撫でる。
「……は、はい」
本当は大丈夫なんかじゃ全然ないけど! 足腰痛くて、身体動かねーけど!
俺と同じだけハードな運動したはずなのに、スーツを着込んで涼しげな顔をしてる優斗さんに『無理です』なんて言えるはずない。
一回り歳違うのに、なんでこんなに優斗さんはタフなんだろ?
週一でジムに通ってるらしいけど、でも俺のほうが若いし……。
なんてことをぼーっとする頭で考えてたら、すぐそばに気配がして、見た瞬間優斗さんが俺の頬にキスしてきた。
「ごめんね、急に仕事になって。ゆっくり休んでいくといいよ」
「……はい」
今日は日曜日。
本当なら休みのはずなんだけど、ついさっき会社からトラブルが起こったっていう電話があった優斗さんはいまから出勤することになってしまった。
いまは朝の11時。
ほんの1時間前はこのベッドの上でまだ優斗さんも裸で――……。
「じゃあ、行ってくるよ」
見送ろうと起き上がった俺に、寝てていいよ、と手で制した優斗さんは笑顔を向けて今度は唇にキスして寝室を出ていった。
少しして玄関のドアが開閉する音が小さく聞こえてきた。
それを確認して俺はまたベッドに沈んだ。枕を抱き枕にして目を閉じる。
身体中に残る倦怠感。
優斗さんはシャワーを浴びて行ったけど、俺はまだで、身体はべたべたのまま。
朝っぱらから一度したけど、昨日の夜はさんざんヤりまくってたから……身体がみしみし言ってるし、後孔もジンジンしてる。
でも……だるいけど、心地いい。いまはとりあえずめちゃくちゃ眠かった。
ついさっきの優斗さんのキスを思い出して、まるで恋人同志みたいだな……なんていうありもしないことを思って、俺は一気に眠りの中に落ちていった。
***
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