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第5夜 第32話

 でもやっぱ全然動かしてくれない。  なんとか動かしてやろうって舌吸い上げたりいろいろしてみた。  でも一方的に俺が舌動かすだけで、しかも俺だけどんどん息上がって、頭の中熱くなるばっかりで。 「……ん……っ、優斗さん」  お仕置きってわかっちゃいるけど、寂しくてじっと優斗さんの目見つめた。 「……今日は…まじでごめん。ほんっと反省してる。でもまじで俺が好きなの優斗さんだけだし。優斗さん以外欲しいものない」  ぎゅっと優斗さんの腕を握る。  優斗さんはじっと俺を見ていて――ふっと笑った。 「本当に……捺くんは俺を煽るのがうまいね」  そしてキスされた。  けど――さっきまでの触れるだけのもとのは違う激しくて深いキス。 「……ふ……ぁ」  何度も角度を変えて咥内を貪られる。  絡みつく舌に必死で舌絡めて、互いの唾液を渡らせながらキスだけなのに全部繋がってるような感覚に陥ってく。 「ン……っは…」  唾液が口の端からこぼれる。  荒い呼吸が俺のか優斗さんのかわかんねーくらい混ざってる。 「……捺くん」  唇が触れ合う寸前ぎりぎりで優斗さんが囁いた。  ――もう俺以外に触らせたらダメだよ。  それに小さく頷いて、優斗さんが微笑んで、また俺の唇を塞ぐ。   してもしても、したりないキス。  頭も身体も溶けそうになりながらもしばらくずっとキスだけ続けてた。  水音を響かせてキスが終わる。  糸が引いてそれが切れる。  身体中が疼いてて早く触ってほしい、触りたくて仕方ない。 「エッチな顔してる」  優斗さんが目を細めて俺の首筋に顔を埋めてきた。 「んっ」  思わず声が出たのはちくっとした小さい痛みを感じたから。  きつく肌を吸われて――ぜったいキスマークついてるなって気がした。  でも別に見える位置についてたってかまわないとか思ってしまう。  唇が肌をゆっくり滑っていって、手が俺のシャツをたくしあげて、胸に移動してくる。  女の子みたいに柔らかくもない胸を舌が這って、敏感に尖ってしまってる突起を噛まれた。 「……いっ」  結構きつく噛まれて痛い。  なのに、一層身体が疼く。  ……Mではないはずなんだけどな。 「っ……ン」  だけどずいぶん開発されたと思う。  舌でなぶられてしゃぶられるだけで快感が背筋を這いあがって背中がのけぞった。  手を伸ばして優斗さんの髪を掴む。  ちょっと引っ張ったら視線を上げた優斗さんが俺の口に指を這わせて指を突っ込んできた。  優斗さんの息子にするように舐めてしゃぶって吸って、舌を絡めまくる。 「……ほんと、エロいね」  微笑してるけど優斗さんの視線こそエロい。  完全にスイッチが入ってる目を見ると刺激が足りなくて指を軽く噛んだ。 「……優斗さん」 「ん?」 「も、挿れてほしい」  ぼそっと呟くと、一瞬目を丸くした優斗さんが色っぽく笑う。 「もう? まだ全然ほぐしてないよ」  ズボンもまだ履いたままの腰を撫でられる。 「……じゃ、早く」 「夜は長いんだし、ゆっくりね?」 「……」  お仕置きってまだ続いてんのかな、もしかして。 「んっ」  気を抜いてたらさっきまでしゃぶられて唾液で濡れてる胸の突起を抓られた。 「……っは」  ぐりぐりと指で挟まれて扱かれて快感に眉が寄る。 「最初はここからね。全部、愛してあげるから、ね?」 「……」  全部っていうのはすっげぇ嬉しいけど。  でも俺の息子くんがダラダラ涎垂らしてるんだけど……。  なんて目で訴えるように優斗さんを見つめたら胸を弄ったまま、またキスされた。  舌を絡み合わせるキスじゃなくて、優斗さんの舌が好き勝手に咥内を這って荒らしてく。  あー……もう、やばい。  焦らされすぎてそのうちキスだけでイキそうな気がする。  ぞくぞくする身体とドクドク脈打ってる息子にそんな予感を覚えた。  黙ってされてることはできねーから、脚を優斗さんの腰に絡みつかせて、少しでも刺激がくればいいのにって腰を揺らす。  そんな俺に優斗さんが喉を鳴らして、でもマイペースにキスと胸を弄るのを続けていた。 「……っ…ん」  早く全部溶けるくらい繋がりたいって腰を押し付けて、無理やり優斗さんの舌に舌を絡めて。  早く、もっと――って快感ばかり追っていたら。  スマホが、鳴りだした。  ――それは優斗さんのスマホの着信音で、お互い行為に集中してたからビクッと身体を強張らせた。 「……びっくりした」  苦笑しながら優斗さんが身体を起こす。 「出るの?」  俺が不満そのまま言えば、少し意地悪に優斗さんが口角を上げる。 「いまは捺くんの好きな焦らしプレイ中だからね?」 「……好きじゃねーもん」  口を尖らせる俺に優斗さんはくすくす笑いながら――俺の股間をズボン越しに撫でて、そして取りだしたスマホを見た。  もしかしてずっと電話中弄られんのかなって思ってたのにすぐに指が離れてく。 「……晄人だ」 「――」 「――もしもし?」  え、って思った次の瞬間にはもう優斗さんは話しだしていた。

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