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『甘美な刺激』

「そろそろ出ようか? ベッド行きたかったんだろ」  うんと甘く優しい声に小さく頷くと、彼は手を伸ばし操作パネルを弄る。  天上から落ちる雫が少しだけ冷やかになり、熱くなった肌を冷ましていく。  背後にいる海輝に体を委ねて、息を整えていると頭から温い湯が降り注いだ。  ハンドシャワーを手に取り、錦の頚元や胸元を洗い流す。  泡を流し終えると、海輝はバルブカートリッジを調節し温度を上げ水圧を強めた。 「じゃぁ、ここも綺麗に、ね?」  ヘッドを肌に密着すると、幾数もの放水が針となり肌に食い込む。  むず痒さと鋭く甘美な刺激は皮膚を滑り落ちて、そして。 「はぁい。御開脚~」 「――え?」  錦の左膝裏を海輝の腕が掬い上げる。 「――っ? 何て事を……お前っ何をするんだっ離せ」  大腿が胸につく程に大きく足を開かせる。  隠された場所が、無防備に晒された。  残された足で何とか立つが、腰が砕け随分と頼りなく体が揺れる。

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