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『獣が水を舐める音』
「ンっ……ふ、ぅ」
獣が水を舐める音を立てながら舌を絡ませた。
たっぷりと時間をかけて舌の裏側まで堪能した後、錦の頤に口付け仰け反る喉まで舌を這わせる。
吐息が湿り気を帯びて唇からは濡れた声が漏れ始める。
脇腹から腰の線を撫でる手の温かさに、突っ張る足がシーツを乱した。
「はぁ、はっ、あぁ、んっ」
鎖骨を齧られ、いくつもの痕を付けながら胸の中心に唇が辿り着く。
視線を落とすとボディオイルと唾液に濡れた唇が錦の傷跡をなぞっていた。
「あっ、ん……はぁ」
夢中で肌に口付ける頭を抱いて髪に鼻先を埋めると何とも幸せな気持ちになる。
錦は海輝の柔らかな髪に指を通しながら、撫でまわす。
頭を撫でられるとき錦は幸せな気持ちになるが、こうして撫でる側になっても同様な事に嬉しくなった。
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