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『もっと先を望んでいる』

「んっ、んっぐっぅ」  名前を呼ばれ濡れた指が大腿の肉に食い込む。 「はぁ、はぁ、はぁ、あっ、海、て……ん」 「君のここもっと味わいたいんだ。駄目?」  切迫した表情で唇を噛もうとしたら、指先が核心をやや乱暴に弄る。  動きに合わせて錦の声がひときわ高くなる。 「ドスケベ」  耳元で囁かれ腰がびくりと跳ねる。 「あっ、やぁ……音ヤダ」  わざと立ててるのではないかと思う程、粘着性のある水音が足の間から聞こえる。 「わざと? 僕の所為じゃない。君が濡れやすいからだ。錦君ったらスケベなんだから」  否定はしなかった。  海輝の言う通り、淫らなのだ。  こんな事されて、気持ち良くなって。  本心では――恥ずかしいのにもっと先を望んでいる。

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