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『もっと開いて』

 唾液でべとべとに濡れた錦の唇を長い指が拭い、耳元で「もっと開いて」と囁く。  気が付かない内に、内側に閉ざそうと込めていた膝の力を抜く。  海輝を挟んでいた膝をさらに大きく開き左右に倒す。  ひっくり返った蛙だ。  滑稽な姿だが錦は大人しく従う。  性器もその後ろの窄まりも全てが海輝の目に晒される。 「うん。とても美味しそうな香りがする」  生臭い性の匂いを楽しむ海輝に狼狽える。 「だからっ匂いを嗅ぐなっ」 「結局隠しちゃうの?」 「お前が変なことするから」 「触って味わって良いなら香りを楽しむのだって問題ないはずだ」

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