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『待ち侘びていた』

 両手から、薄い皮膚を通し熱い血潮を感じる。  生き物の様に生々しい芽吹き。  濡れた音と共に口から洩れる淫靡な声。  海輝の掌の熱さ。  中断した愛撫に体が疼き出す。  淫らに海輝を待ち侘びていた。 「っ? あぁ! あっあ、ぁ」  ぬるりとした感触は嫌と言う程知っている。  理性を攫い剥ぎ取り一匹の獣にした、嫌らしい動きと質感。 「も、舐めるの、駄目……あっんっ」  顔を上下して口内で引き絞り、錦の性器を吸い上げる。  含まれた唇から咥内に溜まった唾液が溢れて、錦の肌をさらに濡らす。  性器の付け根を濡らし、淡い繁みを色濃く濡らし、陰嚢の脇を流れる。 「あっ、で、るッ、口、離して、あっ、やぁっ」  丸めた足の指がシーツに沈む。  引き攣れて、達する寸前で海輝が唇から解放する。  熱を発しながら取り残された錦を丁寧に舐め、ゆっくりと下がり陰嚢に辿り着いた。  小刻みに舌を動かしながら、何度も味わった快を繰り返す。  器用に舌を上下に動かし錦の双球を叩く。

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