177 / 245

『感極まる声』

 幸福感に包まれたまま、錦は海輝の胸に両手を這わす。  筋肉の弾力を楽しみながら下腹へ移動する。  汗ばんだ掌の感触は気持ち悪くないかと心配したが、拒絶の色はない。  その代わりに海輝が小さく息をのんだ。  しっとりと汗ばんだ肌に錦の鼓動が高まる。  そろそろと肌に這わした指先を下すと、下生えに触れる。  地肌に指を這わせ性毛をかき分けると所々濡れ固まっていた。 「はぁ……錦君……」  上ずり感極まる声に、恋人としての自尊心が擽られる。  きっと海輝も、何度も気をやる錦を見てこんな風に満たされたのだろう。  海輝も同じ気持ちだったのだと思うと、喜びも一入だった。  両手をさらに進めると、張りつめて濡れている皮膚に行きつく。  そして、硬く隆起した海輝の性器に触れた。    

ともだちにシェアしよう!