179 / 245

『奉仕』

「錦君、気持ち良い」  気持ち良さそうに大きな半月型の目を細める。  何度か手を往復させ、重たげに鎮座する袋を包む。  たっぷりとした質量を掌に感じながら、優しくさぐる。  海輝が喉を震わせて息を漏らし、体が反り返る。 「はっ、あっ、錦君、良いよ」 「その、すまない」 「何」 「……だから、一人で」  海輝は錦に夢中で奉仕し、何度も絶頂を味わわせたのに。  彼自身は触れられる事も無く一人で果てていたのだ。  何だか申し訳ない気持ちになる。 「俺も口でする」 「いや待って。それされるのは心の準備が居る。凄く嬉しいけど、最後までしそうだから」 「しても良いのに」 「僕がやりたいから応えるんじゃなくて……君が僕としたくてたまらなくなった時に抱かせてよ」

ともだちにシェアしよう!