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『探り出す』

「そんなに緊張しないで」 過敏な反応に錦自身が驚く。 思っていたよりもずっと、緊張していたのだ。 海輝の視線を気にしないように努めながら、包み込んだ性器への愛撫を再開する。 オイルの所為か立ち昇る香りが薄まる。 普段は眼にする事の無い性毛が、湿り気を帯び濃い影を落としている。 秘めやかに茂るその柔らかさに酷く背徳的な気持ちになる。 こんな時でないと見る事が出来ない場所に、遠慮がちに視線を落とす。 ここを見れるのは、海輝自身と恋人である錦だけだ。 溜息を飲み込み右手で握り込み、左手の指先を丸く膨らむ切っ先に伸ばした。 弄び、慰撫して、快楽を引き出す場所を探り出す。 海輝の息がまたすぐに乱れ、その呼気に耳を澄ませながら強弱をつけて滑らかに指を躍らせた。

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