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『胸を震わせる』
――どんどん濡れてくる。
それに、凄く硬くなって……。
錦の愛情に応えるように、手の中で少しずつ感触や形状を変える彼の一部が愛おしく感じる。
内から膨張する欲情が薄い皮膚を引っ張る。
これ以上張りつめると、引きちぎれてしまいそうだ。
質量を増す性器を見ると熱を帯び充血していた。
痛みはないだろうかと心配になる。
煽られてはち切れそうな熱源を解いてやりたくて、愛撫に集中する。
噛み殺す様に、吐息交じりに漏れる艶めいた海輝の声に胸を震わせる。
自分の手で感じているのだ。
男の欲望を満たすための奉仕を夢中になり続けた。
始めてなのに、不思議とどうすれば良いか分かっていた。
輪を作った親指と中指で冠を包み、人さし指で頂を撫でる。
じわじわと、人さし指が濡れオイルには無い粘りが増す。
滲みはあっという間に錦と海輝に纏わり、にちゃりと音を立てる。
顕著に表れる快の形に嬉しくなり錦はようやく緊張を解き微笑む。
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