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『彼が側に居るなら』

 デジタル時計を見て錦は苦笑する。  時間を確認すると、急に体が重く感じた。  恍惚とした頭と、冴えた眼、眠れない体の感覚が一気に繋がり、疲労を自覚した。  日を越して睦み合い、疲れた体は限界に来ていた。  夢中になり抱き合っていたから時間の感覚が完全に抜け落ちていた。  ――恐らく今日のデートプランは潰れてしまう。  心地良い互いの温もりの中で、泥のように眠って目覚めた時二人で慌てる姿が目に浮かぶ。  海輝の寝顔を見て何となくそう予感する。  数時間前二人で見た天の川のプログラム、降り注ぐ星に夢見る彼の瞳。  側に居るだけでも感じる何者にも代えがたい幸福感。  デートプランが駄目になってしまうのは惜しい気はするが、彼が側に居るなら正直このままベッドで過ごしても構わないと思った。  海輝は残念がるだろう。  どうやって宥めよう。

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