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『ここしか居場所がないとそんな風に』
起こさない様に細心の注意を払いながら猫毛を払う。
丸い額を剥き出しにしてみれば、あどけなくて赤ん坊の様に無垢な寝顔。
まるで、ここしか居場所がないとそんな風に眠る姿が愛おしい。
彼と同じベッドで寝たことは初めてではない。
恋人になる前から何度か一緒に寝たことはあるが、彼は何時も錦より後に眠り錦よりも早く起きていた。
だから滅多に見る事は出来なかったが、偶に見れた海輝の眠る顔が好きだった。
眠りが浅く短時間しか眠らない彼が、錦の側なら深い眠りに落ちる姿が大好きだった。
お前の側こそが、安らぎの場所だと言われてるようで嬉しかった。
「俺を世界で一番幸せな男にしてくれて有難う」
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