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第9話 特別な日 ②
「!!!!」
「危ない!」
驚きすぎ後ろに身を引こうとしたが、バランスを崩し倒れそうになった直継の体を、忠直が直継の腰に手を回し受け止め、自分の方へ引き寄せた。
「す、すみません……」
忠直に引き寄せられ、顔を真っ赤にした直継は忠直から視線を外す。
「急に言ってごめんね。でも、直継君に怪我がなくてよかった」
ゆっくりと忠直が直継の腰から腕を抜くと、直継は少し寂しくなった。
「いえ…、助けてくださり、ありがとうございました。すぐにミックスサンド注文してきますね」
しゅんとした顔を忠直に見せないように直継はキッチンに行き、シェフであり愛美の夫でもある明久《あきひさ》にメモを渡した。
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