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『名前は“誠生”って、付いているけど…本人は不誠実な男だから。確実に名前負けだよ』 確かに、父上が言う通り僕も不誠実だと思う。というか、名付けた親に文句を言ってやりたいね。 『貴方の息子さん、名前と性格が合ってませんよ!もう、不潔と名前を変えて下さい』と。 あ、けど…。 彼でも敵わないのは、天下無敵である僕の祖母様。 三神帝の頂点の御上だったりする。 『…黒い。械より黒過ぎる』 以前、ほざいていたのを思い出した。 黒さは知らないけど、父上よりって所が気になる。 まぁ、親族に聞いた所で黙認してしまうのは解っている。僕には、聞かせる訳にはいかないという迷惑なお節介だ。 きっと、誰一人として口を開いてはくれない。 各言う自分も無理強いして、問い質す気もないから、敢えて触れないでおこうと思う。 何たって、触れぬが祟りという諺がある様に、触れない方が良い時もあるからだ。 時として、この男…。 僕を抱くと、何時も嬉しそうな表情をする。 乱れていく姿が、彼の瞳にどう映っているかは解らないが。その後は、逝かせて、失神した僕を抱っこしながら後処理をしているそうだ。 それを聞いて以来、一度で良いから彼をぎゃふんと言わせたい闘争心に燃えている。 此処は、盤の上だと考え…。 後者で打っておくのが良いだろうな。 先手を打つと、僕自身が不都合。 頭の中で組み立てた計画を密かに実行へ移すのは、もう少し、彼の動きを見ながら。 ゆっくり駒を進めて行こうと決めた。 遊戯は楽しまなければ損なんだと、父上や祖母様に教えられた。 だからこそ、僕は彼が驚いて、心臓が止まるんじゃないかというくらいの享楽を求めている。 リードをするなら…。 僕か、彼か。 どっちに転がるか解らないスリリングが堪らない。

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