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第一話:華やいだ殺戮のワルツをご一緒に。

『幸せはね…色褪せても尚、輝きを持っているんだ…』 頬を緩ませ、語ってくれた男が居た。 感情が欠落していると自覚していた自分からしてみれば、意味が解らなかった。そもそも、幸せとは色んな形があり、手にしてみて味わえるモノだと思っている。 何不自由なく、暮らしているのが幸せとか…。 この人が居て幸せとか。 だから、論理的に大差があるだけの違いなのだろう。 僕からすれば、家族と一緒に居るから幸せという形が出来上がっている。 「気色悪い…」 「どうした?」 『どうした?』じゃないよ。 人の顔を見ながら、頬を緩めているのが鳥肌もんだ。 「アンタしか居ないよ!何で、僕見て、微笑み浮かべてるの」 「そうか…。癒燐の強気は、母親譲りなんだな。逆に械譲りだったら、人を貶す言葉が三倍にして返ってくるしな。そこは、母親譲りで安心…」 「はっ!」 「ソナタが械みたいな性格じゃなくって良かったという事だ。じゃなきゃ、三神帝の御上みたいな黒さを纏いそうな感じがしてならない…」 とんだ取り越し苦労だと青年は思った。 やっぱり、馬鹿なんだろうな? 容姿は間違いなくモテるだろうし、地位も文句無し。 青年に依存しているのは残念な気がする。 何時になったら、僕に飽きてくれるのだろう…。 確か、初めて逢った時に言った気がするんだ。『恋愛ごっこに付き合う義理は無い』と。 言い寄って来る女神達が居る中で、彼を選んだ理由が解らない。 父親も男性が居ても気にしている様子どころか、寧ろ、息子と彼を見て、楽しんでいる感じだ。 「どうでも良いけどさ、いい加減、自分の屋敷に戻れば?両親達、心配しているよ?きっと…」 「…ふっ、心配しているんだったら嬉しいな」 突然、切ない表情されたら、言いづらい。

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