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何時もみたく、俺様発言してくれる方が有り難いと感じた青年は、彼から漂う哀愁感に困惑する。
まるで…。
両親に愛されていない様な空気を纏っているからだ。
「ー…癒燐、祖母様が呼んでいるよ」
「えっ」
「夜兎が三神帝まで付いて行ってくれるらしいから…顔を出しておいで…」
「ほ、ほぇ…父上?」
ぐいっと、手を引っ張られた青年は、すっぽりと、細身の男性の腕の中に収まった。
「械兄様は、可愛い息子にも容赦無いんだから。はぁぁ…。癒燐、大丈夫?」
うわっ、相変わらず、綺麗な夜兎伯父様…。
祖母譲りの顔立ちが目立つせいか、思わず驚いてしまった彼は唖然とさせられる。
幼い頃に見た時より、明らかに伸びた金糸の髪が、時が止まったかの様に靡く。これは、三神帝特有なのだと青年は理解している。
何故なら、彼自身も同じ感じに靡くからだ。
「ぁ、はい。どうにか」
「そう…」
安堵した声音が男性から漏れる。
雰囲気といい、纏う着すら祖母にソックリで、彼は不思議と安心する気持ちになった。
これは昔からで、何故か祖母譲りの伯父が抱き締めてくれると、心が落ち着くのが癖。
ー…血は争えないな。
改めて実感するが、自分の体内には間違いなく、三神帝の血が流れている。
殺戮神きって随一であり、王族の頂点に立つ最高峰の『三神帝』。
気になって一度だけ調べたけど、詳しく出て来なかったのを覚えている。
王族なら、黒い歴史があっても可笑しくない…。
現に彼は幼い頃に目の当たりにしている。
瞳に映る光景は、何とも言葉では言い表せない状態だった。あれは、現代における習わしではなく、昔から三神帝で実際に行われている習わし。
そう決めたのは、祖母様で…。
今では家臣達ですら、腑抜けが居ないという素晴らしさだ。
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