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君は見た事あるだろうか。 銀色に輝く月が、此方を覗いているのを。 どんなに、綺麗でも…。 何処か影がある。 そんな月を…。 俺は、彼に例えてみた。 アイツには怒られるかも知れないが。 彼は、美しくも、棘があり、だけど…。 綺麗な銀色の月のようだ。 この世界を探したって、見つかるか解らない掛がえのない存在だと思う。 これは、幾年と語り継がれていく物語なのだろう? だったら、俺と彼の恋愛も描いてくれてもバチは当たらないと思うんだ。 そんな…。 儚い願いすらも。 叶えてはくれないのか? だとしたら、恋の女神が微笑むのは何時なのか。 可笑しな話…。 微笑むのは。 彼の父親だったりしてな。 まぁ、それだけは勘弁して欲しい。 アイツが微笑む時は、裏がある。 三神帝の血を引いている割りには、やる事が少しばかり悪戯が含まれているんだ。 だが、頭脳明晰である事には変わりない。 問題は…。 性格だったりする。 語れば長くなるから、止めた。 開いてみた世界が、突然、血生臭い世界だったら? 其処が、血の海だったら…。 君はどうするだろうか。 俺や彼が棲む世界は、そんな世界で。 彩られるのは真っ赤な血液だけだ。 だから。 此処の月は…。 ー…BLLD MONNとも呼ばれている。 それに。 飽きた頃に、俺は見付けた。 闇夜に浮かぶ銀色の月を。 キラキラと輝く光が、散りばめられている様は、言葉では表せない程、美しかった。 これを。 彼にも見せたいと思った。 俺や彼が知る世界には無い光景だから。 少し、羨ましく感じる。 こいゆう現実が訪れればなんて、我が儘かも知れない。 夢を見る分だけにしておいた方が良い。 そう、自分に言い聞かせて…。 幕を開けようと、していた。 ー…雨神帝の嫡男と。 水鬼帝の美しくも刺のある嫡男の恋愛を駆けたゲームが。

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