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「いささか、御執心が過ぎるかと」
――僕は、どうしてしまったんだろう。
自問しても、答えは出ない。肌に残る宗明の気配に目を閉じる。今宵も呼ばれるのだろうか。そのような事を思いながら、春吉は短い眠りを経て朝を向かえ、申し訳なさそうに目をそらす父と姉と共に、長い一日を過ごしていた。
夢のような春吉との時間を終えた宗明は、すぐに筆を取り一首詠み終えて隆敏に言付けた。朝餉の前に春吉に届けよと命ぜられた隆敏は、眉間に皺を寄せる。
「何だ」
「恐れながら、申し上げます」
「だから、何だ」
「いささか、御執心が過ぎるかと」
「まだ、三日だぞ」
「失礼ながら、北の方様との御行為よりも、その……」
言葉を濁す隆敏に、宗明も目をそらす。
「毎夜の見張り、苦労をかける」
「いえ――それは、かまいません。しかし、宗明様。今宵は、別の者をお呼びください」
「何故だ――よもや、春の声にあてられたか」
「そのような事は、ございません。ただ、あの家族には格別の処遇があると妬む声がございます」
宗明は、首をかしげた。
「専属の医師まで付けておきながら、奉仕をさせないまま宗明様の寝所に近い棟を与え、その後に三日続けて寝所へ招かれた。そして、この文……これではまるで――」
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