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隆敏が眉間に皺を寄せた。

声をかけると、飛び上がりそうなほどに体を震わせ、おそるおそる振り向いた相手が、背後に居るのは隆敏と知って座り込んだ。 「はぁ、驚かさないで下さいよ」 「こんなところで、何をしている光正」 ふうっと目線を逸らした光正が、しまりなく笑った。 「ちょっと、忍ぼうと思った相手が居まして。そこに行く途中に沢山兵士がやってきたんですよ。で、思わず屋敷から出てきてしまいまして」 「これから、何処に行くつもりだった」 「えぇと、その、忍ぶ相手のところに行けないかと」 「恋仲の相手か」 「いえ、まだ。でも、行ったら拒まないと思うんです」 「屋敷の、何処だ」 答えようとして口を開き、目を泳がせる光正を睨みつける。 「春吉のところに……」 隆敏が眉間に皺を寄せた。 「ひっ――そ、園様目当てじゃないです。誓って、春吉のところなんです。そんな宗明様の側室に忍ぼうなんて、そんなつもりはないですぅう」 両腕で自分をかばうようにしながら、光正が後退る。 「忍び込める場所は、あるか」 「へ」

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