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寧ろ、弁当の中身の話の方が余程価値が無いか。
「ボリュームのあるアフロが似合うと思います。体格体型的にも教育番組に出てくるカミナリ様みたいな仕上がりになりますね。何でも可愛いと形容する女子社員に人気が出ますよ」
カミナリ様とは今子供に人気のアニメキャラクターだ。
「いや、何の話だね? 忘年会だよ。来ないの?」
「おや。一週間前に欠席すると伝えてるはずですが」
その時鬘を燃やしたので、ショックのあまり記憶が飛んだのかもしれない。何てことだ。
「幹事の山田君に保留するよう頼んでるんだ」
予想通り、どうでも良い内容だった。
寧ろ、弁当の中身の話の方が余程価値が無いか。
実に迷惑な話だ。
「まだ、期日は有るから。ビュッフェ形式だから、予約人数の変更も融通が利くから」
鬘を失いながらもまだ食い下がるとは。
この執念、何かある。
周囲に「出席させます」とでも言って誰も期待はしていないのに、口に出した手前後には引けないと勝手に感じているのか。
それとも、社交辞令的な煽てを本気にして調子に乗ったかどちらかだろう。
これは頷くまで延々と続く種の話だ。
面倒くさい。
ぐちゃぐちゃ煩いので「予定が変わりそうなら出席しますね」と言い話を終わらせる。
勿論結果を変えるつもりはない。
しかし、それが良くなかった。
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