――……おい、どういう事だ。 海輝はオフィスの休息スペースで某無免許天才外科医の助手である幼女と揃いのポーズをしていた。 アッチョンブリケである。 幼女ではなく成人男性がしているので何だか痛々しいが、誰も見ていないので無問題だ。 ――いや、本当にどういう事だ？ 朝比奈　海輝が失恋しクリスマスを過ごす相手がいないから忘年会に出席するとか、何だそれ。 妊娠をきっかけに結婚を迫られ別れたとか、新しい女が出来たから別れたとか、仕事三昧で構わなかった所為で女と別れたとか、同棲していたが女の束縛が酷くて別れたとか、海輝が完璧すぎて自分に自信が無くなった女が病んで別れたとか。 どの噂も共通してるのは失恋なのだ。 何だそれは。 真実と一ミリたりとも掠ってもいない。 同姓同名の別人か？どの世界の海輝さんのお話だ。 そもそも恋人の錦は男の子だから妊娠などしないし、妊娠する様な行為はまだしていない。 錦の性別は海輝にとっては全く問題にはならない。当然妊娠の有無や可能不可能など些末な事であり、錦がある程度の年齢になれば結婚するつもりだ。 以前は結婚など拘る事は無かった。 永遠の恋人でも良い。一緒に居られるなら形など何でも良いと考えてはいたが、しかし、同時に海輝はこうも思うのだ。 愛する恋人を抱く場合、四十八手と言う性交体位が有れば全て網羅したくなるのが海輝だ。つまり、錦を手に入れる方法が幾つか有るならば、余す事無く実行したいのだ。 と、言う事で政治家とのコネクションを利用し同性婚が認められる様に法改正を目論んでいる所である。