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階段降りきる寸前で一段飛ばしてしまい、そのまま足首を捻挫すれば良い。

唯の無能。 つまり目の前の彼である。 通常プロジェクトに参加するメンバーは、その内容に見合う能力を重視される。適性の無い社員には声がかからないのだ。 能力のない今田が不相応のポジションにいるのは、身内同士の融通を利かせた結果だ。 下らない。 業種的にもお飾りではどうにもならないので、実際指揮をしているのはプロジェクトリーダーとは名ばかりの今田ではなくシニアマネージャーの門田なのだ。 うん、こいつは居ない方が良いね。 給料泥棒め。 階段降りきる寸前で一段飛ばしてしまい、そのまま足首を捻挫すれば良い。 一応スケジュールを調整したが、結果――したけれど、やはり今年度は過密なスケジュールの所為で仕事納めは無くなった。 一言で纏めれば年末年始も仕事だ。 お陰で生錦に今年度は会えないのだ。 生錦、なまにしき、ナマ……ってなんだか響きがエロい。 早く食べてねとかそんなイメージだ。 錦君、ぺろぺろしたい……。 兎に角、リアル錦と二人っきりの忘年会さえできないのに、彼以外と忘年会とか。そんな不条理が通るものか。 錦が浮気だって怒っても反論できない。

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